2005 Fiscal Year Annual Research Report
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05J06740
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
山本 直樹 国立長寿医療センター, (研究所)・アルツハイマー病研究部, 研究員
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / ガングリオシド / 老人斑 / 脳出血 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)発症の物質的基盤であるアミロイドβ蛋白(Aβ)の様々な変異が、ADや遺伝性アミロイドアンギオパチーの発症に関与しているという報告がなされている。これらのことから、本研究者らは、脳内におけるAβの蓄積には、Aβ変異体に特有の重合を促進する環境因子が存在すると考え、様々な病理学的特徴を有するAβ変異体[Dutch型、Italian型、Flemish型、Arctic型]の重合を促進する環境因子について検討を開始した。その結果、脳実質で蓄積するArctic型AβはガングリオシドGM1(GM1)存在下で、頭蓋内血管で蓄積するDutch型及びItalian型AβはGM3存在下で、また、脳血管周囲から蓄積するFlemish型AβはGD3存在下で重合が促進されることを明らかにした。さらに、Dutch型Aβが重合促進される培養ヒト脳血管平滑筋細胞においてGM3が発現していること、また、Flemish型Aβが蓄積する脳血管基底膜を形成するヒト脳毛細血管内皮細胞とヒトアストロサイトの共培養下で、アストロサイトの足突起にGD3が発現していることを確認した(Yamamoto et al. FEBS Lett. 2005,569;135-139)。 本年度、本研究者らは、Aβ変異体が、個々のAβ変異体に特有のガングリオシドに結合することによって、異なる型のAβの重合を促進することを確認した。さらには、Aβ重合を促進する「種」として働いているGM1結合型Aβ(GAβ)を認識する抗体によって、重合促進ガングリオシドの存在下におけるAβ変異体の重合が抑制されることを明らかにした。これらのことから、アミノ酸配列の異なる野生型と変異体とは、お互いに重合の「種」として働くことを報告した(Yamamoto et al. J.Neurochem.2005,95;1167-1176)。
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Research Products
(1 results)