2005 Fiscal Year Annual Research Report
独立成分分析法などの信号処理法を用いて脳計測データから脳内信号を分離する研究
Project/Area Number |
05J06917
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
今野 義男 上智大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブラインドソースセパレーション / 独立成分分析法 / 因子分析法 / 脳磁図(MEG) / 脳波(EEG) / マルチユーザ検出 |
Research Abstract |
1.アルゴリズムの開発 (1)R-mode法の開発 R-mode法と呼ばれる手法を取り入れたブラインドセパレーションのアルゴリズムの開発です。このR-mode法は、ブラインドセパレーションにおいて、信号間の「相関除去」、「雑音除去」と信号の「次元縮約(信号数の縮約)」を同時に行うものです。この研究の特徴として、特定の観測信号に「外れ値雑音」のような「桁違いのスケールを持つ雑音」が含まれてしまった場合を考慮しました。そして、「信号間の振幅の違い」に対して強固なアルゴリズムの開発を行いました。 独立成分解析や因子解析を用いたブラインドセパレーションでは、実際に測定された「(高付加)雑音環境下で観測データ」から、データの混合モデルにおける「混合値行列」と「付加雑音の共分散行列」を推定していくのですが、「信号間のスケールの違いによる影響を学習の反復段階で推定し直す方法」を確立することで、「混合値行列」と「付加雑音の共分散行列」の推定をより正確に行い、結果として原信号をより正確に分解させます。 (2)Q-mode法の開発 データ行列をR-mode法と逆の見方で解析する手法がQ-mode法です。つまり、R-modeと呼ばれる一般的なブラインドセパレーションの場合、データを「観測センサー毎」に捉えて解析するのですが、Q-modeの場合、データを「時間サンプル毎」に捉えて解析します。この手法の導入を検討し、更に、「付加雑音の推定」をQ-modeモデルに取り入れる研究を行いました。 2.脳信号処理 "Implicit Association Test"の実験 アイルランド国立大学の心理学科で計測された32チャネルのEEGデータの解析です。このデータは、被験者が、"Implicit Association Test"と呼ばれる心理学の分野で使われている実験を行っているところから測定されたものです。このデータに独立成分解析のアルゴリズムを適用し、心理学科との検討を行いました。
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Research Products
(3 results)