2005 Fiscal Year Annual Research Report
量子群における結晶基底の多面体表示とその構造について
Project/Area Number |
05J06920
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
星野 歩 上智大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子群の表現論 / 結晶基底 / 多面体表示 |
Research Abstract |
量子群の冪零部分代数と可積分最高表現が持つ結晶基底(それぞれB(∞),B(λ))の具体的な記述は簡単ではなく量子群に付随するKac-Moody代数が一般の場合に統一的でかつ簡潔な記述は未だ得られていない。現在私が採用しているのは多面体表示という手法である。多面体表示とはある区分線型変換によって不変な連立一次不等式系によって定められた領域の整数点として結晶基底を表示する手法で、一般のKac-Moody代数の場合を扱うことができる。中島俊樹、A.Zelevinskyによって古典A型、アフィンA型、rank2一般の場合のB(∞),B(λ)の多面体表示は得られていたが、これらの場合は区分線型変換の作用の結果を予想しやすいという特徴がある。本研究ではその区分線型変換の作用をそれほど意識することなく多面体表示を得る手法を開発したので、例外型を含むすべての半単純型に対してB(∞),B(λ)の多面体表示を得ることに成功した。この結果を用いると、表現のテンソル積における既約表現の重複度を例外型を含むすべての半単純型で具体的に記述することができる。 また、変形量子群ついても多面体表示を適用することに成功した。変形量子群の表現は量子群の表現としては必ず可積分表現となり非常に重要な対象であるがその結晶基底は非連結で、連結成分は古典型以外は最高ウェイトベクトルや最低ウェイトベクトルを持つとは限らない。本研究では単位元を含む連結成分について古典A型と最高ウェイトベクトルを持つ場合のアフィンA^<(1)>_1型の多面体表示を得た。変形量子群の結晶基底は最高または最低ウェイトベクトルの具体形が明らかではないが、最高ウェイトベクトルの具体形を記述しその情報を用い多面体表示を得ることに成功している。さらにすべてのrank2の場合について、その連結成分が最高または最低ウェイトベクトルを持つ条件を記述しその下で最高または最低ウェイトベクトルの具体形を書き下し、その情報を用いて多面体表示を得ることに成功した。
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Research Products
(5 results)