2006 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地植林のための蒸発抑制効果を持つウォーターハーベスティングに関する研究
Project/Area Number |
05J06935
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
齊藤 忠臣 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウォーターハーベスティング / 乾燥地植林 / 蒸発抑制 / 表面流出 / 土壌面蒸発 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究は,蒸発抑制効果をもつ溝充填型ウォーターハーベスティングを提案し,乾燥地植林に有用な手法として確立することを目的としている.17年度は手法の持つ蒸発抑制効果を定量的に評価するため,大型土壌槽を用いた室内蒸発実験とそのモデル化を中心に研究を進めた.これらの結果を踏まえ,18年度は,中国黄土高原において,圃場実験を中心に研究を進めた.現地の退耕還林政策に使用されているウォーターハーベスティング「魚鱗坑」に対し,本手法と類似した改良を加え,水分・温度センサー等を用いた各種計測を実施している.結果より,通常型の魚鱗坑は,必ずしも水分貯留の面において効果的とは限らず,砂利マルチとの組み合わせによる蒸発抑制が渇水年においても効果的であることが分かった.19年度も同地点で継続して機器のメンテナンスとデータの収集を行う予定である. 現地で使用している誘電率水分計の出力値に,顕著な温度依存性が見られた.誘電率水分計の温度依存性のメカニズムは近年明らかにされつつあるが,その校正法は十分に確立されていない.そこで,温度依存性を校正するための室内実験を実施し,校正手法を提示した.結果より,温度変化に伴う出力値の変動が大幅に解消され,正確な水分量決定が可能になった. 本研究手法のモデル化に関連して,蒸発量予測モデルの妥当性を検討するため,熱力学的平衡近似を用いた土壌面蒸発速度予測の信頼性検討の室内実験を実施した.また,17年度に実施した室内実験で用いた土壌の不飽和透水性測定のための実験も行った. 2007年3月には,ヨルダン科学技術大学を訪問し,本手法と同様の手法について研究を行っているMajed Abu-zreig教授と,これまでの研究成果発表や,今後の共同研究に関するディスカッションを行った.また,現地圃場の視察と土壌調査を行った.
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Research Products
(1 results)