2006 Fiscal Year Annual Research Report
精神神経疾患発症に関連する新規ヒト脳組織特異的刷り込み遺伝子の同定
Project/Area Number |
05J06958
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大塚 晋 鳥取大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自閉症 / ゲノム刷り込み現象 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
昨年度に刷り込みが示唆された4番および18番染色体上の遺伝子のDNAメチル化状態を詳細に解析を行ったが、刷り込み遺伝子の指標であるヘテロジニアスなメチル化は認められず、刷り込み遺伝子ではなかった。 本年度は自閉症との関連が強く示唆される15q11-q13領域に存在し、かつ転写開始領域CpGアイランドを保有する25遺伝子および近年報告がなされている1p32、2q、3p25、4p、5p15、5q35、7q31、10q21、11p13、11q23、12q14、16p13、17q21、20q13、22q13、X染色体に存在する自閉症候補遺伝子28遺伝子、合計53遺伝子についてCpGアイランドのメチル化状態をバイサルファイトダイレクトシークエンス法により解析を行った。解析には正常人および自閉症患者由来リンパ芽球検体をそれぞれ8検体ずつ用い、新規刷り込み遺伝子の同定を試み、正常と疾患におけるDNAのメチル化状態の比較を行った。、15番染色体では14遺伝子が非メチル化状態であった。2遺伝子は領域全体がほぼメチル化されていた。刷り込みを示唆するDNAのメチル化は1遺伝子で認められた。6遺伝子はDNAのメチル化に個体差が認められた。自閉症候補遺伝子の解析では12遺伝子は非メチル化状態であった。12遺伝子ではメチル化状態に個体差が認められ、刷り込みが示唆されるDNAのメチル化は2遺伝子で認められた。新たに得られた刷り込み候補3遺伝子についてはさらに解析検体数を増やし、詳細な解析を行っている。また、3遺伝子においてDNAのメチル化が自閉症患者において増加または減少していることが示唆されたため、これらの遺伝子においても詳細な解析を行っている。
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