2007 Fiscal Year Annual Research Report
精神神経疾患発症に関連する新規ヒト脳組織特異的刷り込み遺伝子の同定
Project/Area Number |
05J06958
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大塚 晋 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自閉症 / ゲノム刷り込み現象 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
自閉症との関連が強く示唆される2、7、15番染色体および過去に論文発表や、データベース等で公表された自閉症候補遺伝子またはゲノム刷り込み候補遺伝子合計151遺伝子について転写領域近傍に存在するCpGアイランドのメチル化状態の解析をバイサルファイトダイレクトシークエンス法により行った。解析には健常人および自閉症患者由来リンパ芽球様細胞株(LCL)それぞれ8検体を用いて候補の絞り込みを行った。84遺伝子においてCpGアイランドは非メチル化状態、5遺伝子についてはメチル化状態であった。これらの遺伝子では正常と患者間での明らかなメチル化状態の差は認められなかった。ゲノム刷り込みが示唆されるCpGアイランドは新たに4遺伝子において見つかった。今後刷り込み遺伝子様のメチル化状態であるかどうか検討を行っていく。また、検体間でメチル化状態に個体差があるCpGアイランドは38遺伝子において認められた。これらの遺伝子の中にはCpGアイランドのメチル化状態が、解析領域の一部において差が認められる可能性が示唆された。 メチル化状態の差は遺伝子発現量に影響を与える可能性があるため、DNAメチル化解析に用いたものと同一の正常および患者由来LCL検体より抽出したRNAより合成したcDNAを用いて定量遺伝子発現解析を行った。既知の刷り込み遺伝子および新規刷り込み候補遺伝子、メチル化状態に個体差が認められる遺伝子合計46遺伝子について解析を行った。6遺伝子において遺伝子発現量に正常と患者で発現量の差が認められた。正常LCL32検体、患者LCL33検体を追加し詳細な遺伝子発現量の検討を行った結果、3遺伝子は患者において発現が有意な低下、3遺伝子は発現が有意な上昇が認められた。現在追加したLCL合計65検体における詳細なDNAのメチル化状態の解析および遺伝子発現量との相関についての検討を行っている。これらの結果については今後論文を投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)