2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07008
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
敖恩 宝力格 岩手大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 概日リズム / 抗酸化能 / ユーグレナ / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究では、ユーグレナ(Euglena gracilis Z)を用いて、真昼に最大となるこの光酸化ストレスに対する防衛機構について研究し、下記の点について明らかにした。 1.ユーグレナにおける抗酸化能の全般、つまり脂溶性and/or水溶性の一重項酸素消去能やヒドロキシルラジカル消去能が基本的には主観的真昼に最大となるよう概日リズムによって制御されている。具体的に、DPBF酸化抑制(一重項酸素消去;水溶性かつ脂溶性)やDPPHラジカル消去(水溶性+脂溶性)、更にRBやMG或いはDP等の光増感剤に対する耐性などがあった。ただし、主観的真昼より2〜4時間前に最大抗酸化能を示す弱い成分も認められた。最大値が訪れる位相が主観的真昼より2〜4時間前に訪れる概日リズムとして、MBに対する耐性と水溶性のDPPHラジカル消去能などがあった。 2.位相の同一性に加え、抗酸化剤投与によるUV耐性増強の結果から、UVC耐性リズムは主に脂溶性の一重項酸素消去能のリズム、UVB耐性リズムは主に脂溶性や水溶性のヒドロキシルラジカル消去能の概日リズムに起因していることが示唆された。 3.ガンマ線や重イオンビーム(12C^<5+>)に対する耐性が概日リズムを示すことを明らかにした。この二つのリズムの最強位相と最弱位相は各々主観的真昼と主観的真夜中より2〜4時間前に訪れる。 4.25種類の抗酸化剤がガンマ線や重イオンビーム耐性に与える効果を調べ、各種抗酸化剤の用量を明らかにした。抗酸化剤投与によるガンマ線や重イオンビーム耐性耐性増強の結果から、この二つの耐性は主に水溶性の一重項酸素やラジカル消去能に由来することを明らかにした。また、脂溶性の一重項酸素やラジカル消去能も関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)