2006 Fiscal Year Annual Research Report
花粉小胞子特異的遺伝子と分化・非対称分裂をつなぐ逆遺伝学的解析
Project/Area Number |
05J07016
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
箱崎 宏和 東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 雄性配偶子形成 / 花粉管伸長 / 葯特異的遺伝子 / 雄性不稔 / イネ / T-DNA tag line / ミヤコグサ |
Research Abstract |
当研究室保有のミヤコグサ及びイネ葯特異的遺伝子のシロイヌナズナにおける同祖性遺伝子を探索し、それぞれについてT-DNAによる挿入変異体のスクリーニングを行った。目的遺伝子に挿入が見られた変異体を生殖形質にのみ着目しスクリーニングを行った結果、現在までに生殖形質に異常が見られる変異体を3系統単離・同定した。得られた変異体はT-DNAの挿入がhteroの個体を自殖してもT-DNAの挿入がhomoになる個体が得られず、配偶体型の雄性不稔変異体、胚性致死変異体であると考えられた。現在、野生型を交配パートナーとして相互交配を行うことで雄性不稔か雌性不稔かを調査中である。 さらに、RT-PCRによりそれぞれの原因遺伝子の発現場所を確認した。発現部位は必ずしも生殖器官特異的ではなかったが、概ね生殖器官で強い発現を示した。また、詳細な発育ステージごとの発現部位を確認するため、promoter::GUS個体を作製した。新規に単離した変異体をアレキサンダー染色により生死判定を行ったところ、2つの変異体は花粉発達には全く異常が無く、正常であると思われる花粉が成熟した葯の中で生産されていた。これらの変異体は、花粉管伸長もしくはその後の受精反応に異常があると考えられた。 また、多重遺伝子族を形成するいくつかの遺伝子群に関してもT-DNA挿入による遺伝子破壊個体を得ており、これらの二重変異体を複数個作出した。また、現在保有しているT-DNA挿入変異体から更なる配偶型、胞子体型の雄性不稔変異体を探索しており、今後新規な雄性不稔変異体の単離が期待できる。 今後は、得られた変異体のさらに詳細な表現型解析、新規雄性不稔変異体の単離を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)