2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本のフィリピン女性エンターテイナー達が移民前、移民中、帰国後に抱える問題の分析
Project/Area Number |
05J07022
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
ガルシア D M J 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フィリピン女性 / 移民 / 出稼ぎ / エージェント / エンターテイメント産業 / 日本 |
Research Abstract |
日本のエンターテイメント産業で働くフィリピン女性の移民プロセスは移民前、移民中、帰国後の3つのステージに分かれる。在日フィリピン女性に関する従来の移民研究は、移民中に職場で受ける人権問題を対象にした研究が多い。しかし、移民現象の本質的理解には、移民中だけでなく、出稼ぎ女性を生み出すフィリピンの社会経済的枠組み(移民前)から帰国した女性達が抱える精神的苦痛(帰国後)までをカバーした移民プロセス全体に渡る包括的分析が必要である。本研究は、日本とフィリピン両国におけるフィールド調査を通じて、日本のエンターテイメント産業で働くフィリピン女性の移民プロセスを移民前、移民中、帰国後の3ステージについて分析し、移民現象の全体像を明らかにするために行う。 研究機関の一年目となる本年度では,主に移民前と移民中のステージの分析に必要なデータ収集のための調査を実施した。移民前ステージの調査では,フィリピン国内(マニラ、セブ等)において,出稼ぎを進める日本人エージェント組織および現地女性に対するアンケートと面接調査を実施した。また,移民中ステージのフィールド調査では,日本国内の出稼ぎフィリピン女性とその家族,フィリピン女性を支援するNGO等に対する面接調査を実施した。現在,これらのフィールド調査で得られたデータを解析している段階であるが,これまで行った移民中ステージの結果から,フィリピン女性が労働者として振る舞う明るい顔と,日常の苦悩に満ちた顔のコントラストが浮き彫りにされ,孤独感,エンターテイメント産業に従事するが故に彼女達が日常感じる社会的不名誉や社会からの疎外感などが明らかにされた。
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Research Products
(1 results)