2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07035
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 賢 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アステカ / メソアメリカ / 先住民 / 供犠 / メキシコ / 宗教 / 儀礼 / 神話 |
Research Abstract |
学術振興会特別研究員としての第一年目である本年度は、博士論文において取り組んだ古代アステカ人の供犠について、さらなる宗教学的理解を深めるための、基礎的研究に多くの時間を費やした。7・8月にはメキシコを訪れ、ロペス・アウスティン教授ほか諸研究者らと博士論文の内容について討論を行なうことが出来、それにより研究方向の正しさと、一次資料であるナワトル語文献研究のさらなる推進の必要性を確認した。また2006年四月末からの、アウスティン教授、ナワトル語文献学のV・カスティーリョ教授、古代美術史のE・カレオン教授らとの一年に亘る共同研究も準備が整った。またメキシコ・スペイン両国では文書館・古書店などで重要なナワトル語資料を入手することが出来たことは大きな成果であった。9月以降は、ナワトル語文献研究と平行して、アステカ宗教の研究史的研究に力を入れた。博士論文は近い時期にハーバード大学のダヴィッド・カラスコ教授の協力により英文での出版が計画されているが、20世紀のメキシコの社会的状況とアステカ研究との関連についてのモノグラフ作成の必要性が、諸教授らとの討論で明らかになった。これを受けて、20世紀の代表的アステカ研究者のA・カソとM・ガミオのアステカ論と当時の社会状況との関連を論じた「先住民の伝統を理解すること:A・カソとM・ガミオのアステカ論」を提出した。今後は諸教授との共同研究、さらなるナワトル語文献研究によって、アステカの供犠論をさらに充実させ、それを具体的に出版へともたらす作業を行なっていくことになる。
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Research Products
(1 results)