2005 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体の細胞内局在と運動に関与するタンパク質の網羅的解析
Project/Area Number |
05J07104
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
及川 和聡 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 植物 / オルガネラ / 葉緑体 / 運動 / タンパク質 |
Research Abstract |
シロイヌナズナを材料として葉緑体運動を制御するタンパク質を網羅的に同定するために、本年度は葉緑体の単離方法の検討と葉緑体の外包膜上のタンパク質(CHUP1)を完全状態で大量に単離する事を中心に研究を進めた。葉緑体の単離方法についてはプロトプラストを介する方法とチョッピングによる方法を行った。また、その後の分離方法等の検討を行いタンパク質の精製度並びに葉緑体上での局在様式を調べる実験を行った。その結果、コントロールとして外包膜に局在するタンパク質であるToc159やToc75等は認識できたことから葉緑体は完全状態で単離されているがCHUP1については量的に少なくまた局在様式についても非常に不安定に外膜上に存在していると予測される結果であった。今後CHUP1が大量に取れる実験系を再度構築する必要性があり次年度の課題としたい。また、2次元電気泳動とその後のTOF-MS解析についても実験を進めており条件等の検討を行った。得られるスポットの量的問題等解決することも次年度の課題とする。次ぎにCHUP1のタンパク質の機能解析を進めた。まずCHUP1のポリクローナル抗体を作成して実際にCHUP1が葉緑体上に存在する事を生化学的に証明した。また移行シグナルを欠損したタンパク質、そこへ他の葉緑体局在型タンパク質の持つ移行シグナルを付加したタンパク質等を発現する形質転換植物を数種類作成して生理学的な解析を行い葉緑体上での局在を調べた。さらにCHUP1の機能部位の欠損したタンパク質を変異株で発現させ、表現形の観察を行い機能部位の役割についての考察を行った。次年度も引き続き解析を進めてCHUP1の葉緑体運動に於ける制御機構について知見を広げたい。
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