2007 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体の細胞内局在と運動に関与するタンパク質の網羅的解析
Project/Area Number |
05J07104
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
及川 和聡 National Institute for Basic Biology, 高次細胞機構研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 植物生理学 / ペルオキシソーム / 葉緑体 / 局在機構 / 代謝 / 分子生物学 |
Research Abstract |
葉緑体の局在制御に重要な役割を持つCHUP1の機能解析を進めた。CHUP1の葉緑体上での局在機構を精細に調べると共に機能部位の葉緑体局在機構における役割について調べた。その結果、CHUP1のN末端の疎水性領域はCHUP1の葉緑体外包膜以降シグナルとして機能しておりCHUP1の局在にとり重要であることがわかった。またN末側のCoiled-coil領域は葉緑体が細胞の脇側に存在して凝集すること無く1層に存在するために重要であることも明らかとなった。この機構自体にはアクチン細胞骨格は必要でない。この結果からCHUP1は葉緑体が細胞内で運動を行うための基礎的配向性を取ることにも関与していることが明らかとなった。次にペルオキソームの局在機構に着眼した研究を進めた。葉肉細胞においてペルオキソームはミトコンドリアや葉緑体の近傍に存在している。今回我々は緑葉ペルオキシソームの局在に異常のある変異体を複数単離してその生理学的解析を進めた。得られた変異体のペルオキシソームは細胞質中で凝集しているものと浮遊しているもので接着機構に異常が生じたと考えられた。これらのペルオキシソームは運動性にも異常が生じていた。さらに電子顕微鏡での微細構造の観察から共通して変異体特異的にペルオキシソーム内に電子密度の高い沈着物が存在していた。またペルオキシソームの形態にも異常が生じていた。これら変異体では植物体の形態、生育に異常が生じ、オルガネラの局在機構が植物の発達と生長において重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)