2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07209
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 由紀子 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子線エピタキシー(MBE) / 化合物半導体 / 希薄窒化膜 |
Research Abstract |
本年度は、原子状水素援用RF-MBE法におけるGa(In)NAs結晶成長のメカニズムを明らかにし、特に、窒素の局在化やヘテロ界面での原子の相互拡散等によるGaInNAsの結晶品質の劣化を解決することを目的した。RF-MBE法に結晶品質の改善に有効と考えられる原子状水素をサーファクタントとして導入し、その照射条件と結晶品質の関係を調べた。また、成長温度および窒素源であるRF-プラズマ条件、Ga, In, As等の分子線の流量等が結晶品質に及ぼす影響を調べ、成長メカニズムの解明および、成長条件の最適化を進めた。また、窒素の導入に伴い結晶中に多数導入されると考えられている点欠陥の一つである空孔型欠陥について、本成長法で作製したGaInNAs中の欠陥密度評価および、空孔型欠陥が光学特性や電気特性等の諸特性におよぼす影響を評価した。主な成果を以下に示す。 (1)GaInNAsの結晶品質がサーファクタントである原子状水素の照射条件に大きく依存することを明らかにした。照射条件の最適化により結晶の均一性および表面モフォロジーの改善に成功した。 (2)原子状水素援用RF-MBE法により成長したGaInNAs中の空孔型欠陥密度はMOCVD等のガスソースを用いた場合に比べ少ないことを明らかにした。また、成長後に最適なアニールを行なうことで、空孔型欠陥密度を低減することに成功した。 (3)GaInNAsの結晶品質が成長温度に依存することを明らかにした。これは、窒素の局在化のメカニズムと関係していることが考えられ、GaInNAsの結晶品質の劣化のメカニズムにおける有用な知見が多数得られた。
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Research Products
(2 results)