2005 Fiscal Year Annual Research Report
加圧超流動ヘリウム中のサブクール膜沸騰熱流動状態の解明
Project/Area Number |
05J07225
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野澤 正和 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超変動ヘリウム / サブクール膜沸騰 / ノイジー膜沸騰 / サイレント膜沸騰 / 加圧型超流動クライオスタット / 可視化 / 流体力学的安定性 |
Research Abstract |
加速器や核融合炉に用いられる大型超伝導マグネットの冷却には超流動ヘリウム(He II)が加圧状態(サブクール状態)で冷媒として用いられている。このマグネットの状態が常伝導状態へ不安定的に変化するクエンチを起こした際には、大量のジュール熱が発生し、冷媒であるHe II中にサブクール膜沸騰が発生するおそれがある。He II中のサブクール膜沸騰に関しては、これまでに十分な研究がされてきたとは言い難く、より詳細な沸騰時の熱流動現象の深い理解が求められている。本研究では、He II中のサブクール膜沸騰の実相を明らかにする中でその特徴を解明することを目的とした。以下に研究実績をまとめる。 ・大気圧から飽和状態までの膜沸騰の熱流動状態の変化について詳細な観測を行った。沸騰時の可視化観測及びヒーター近傍における圧力・温度変動の測定を行い、He II中の沸騰現象を周囲の熱流動現象から多角的に解明した。それにより、He II中のサブクール膜沸騰では、強サブクール膜沸騰・弱サブクール膜沸騰の2つの膜沸騰モード、飽和膜沸騰では、ノイジー膜沸騰・サイレント膜沸騰の2つの膜沸騰モードが観測された。 ・温度や熱流束を変化させた場合での各膜沸騰モードが発生する圧力領域を詳細に観測し、圧力-温度-熱流束線図による三次元沸騰状態分布図を完成させた。 ・He IIに発生する各膜沸騰モードについて、流体力学的安定論を援用して膜沸騰状態の考察を行い、実験結果との比較を行った。特に、サブクール膜沸騰時に現れる、He II-He I-He蒸気の三相共存状態という特異な沸騰状態での流体力学的安定性について考察した。各膜沸騰モードの沸騰状態を比較し、最も沸騰状態の制御のし易い条件について考察し、より安定な冷却状態の探求を行った。これにより、サブクール状態で発生する、安定な強サブクール膜沸騰と不安定な弱サブクール膜沸騰の違いを区別することができた。
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Research Products
(1 results)