2005 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性微細加工表面による共培養細胞シートの創製と三次元組織構築への応用
Project/Area Number |
05J07231
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
津田 行子 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 親水性高分子 / 微細加工 / フォトリソグラフィー / 組織工学 / 毛細血管 |
Research Abstract |
近年、微細加工技術を利用した細胞接着領域の制御を通じ細胞を微細領域へ配列させることが可能となり、微細加工表面上での細胞の形態・機能制御に関する研究が盛んである。本研究では機能性高分子と微細加工技術を利用し、細胞の接着面積を変化させ、細胞の形態、配向性、機能を制御することで、より高次な組織構造と機能をもつ肝臓あるいは心臓などの代謝系臓器構築のための培養基材の確立を目的としている。微細加工表面の作製には、(株)三洋バイオメディカ製の縮小投影型液晶プロジェクタを用い、細胞が接着しづらい親水性のポリマーであるポリアクリルアミド(PAAm)が100μmライン幅で20および10μm間隔でカバーガラス上へ共有結合的にパターニングされた表面を作製した。作製したPAAmパターン化表面上で血管内皮細胞は20および10μm幅のガラスドメイン上にのみ選択的に接着・伸展し、血管内皮細胞の微細パターニングが可能であった。ガラス表面へ細胞はランダムに接着し配向性を示さないのに対し、PAAmパターン化表面では、PAAmが細胞の接着を抑制し、細胞はガラスドメイン上のみに選択的に接着し、ライン方向に配向した。また、XZ面を観察すると、未修飾表面では細胞は扁平形状であるのに対し、パターン化ドメイン上に接着した細胞は比較的立方状態を示した。本技術による細胞の空間的制御は神経ネットワークの形成や、さらに細胞接着ドメインの表面物性の制御を通じ、口径サイズを制御した毛細血管網の構築へと応用できることが期待される。
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Research Products
(2 results)