2005 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の発生・進展におけるC反応性蛋白の役割-遺伝子改変ウサギを用いた研究
Project/Area Number |
05J07285
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小池 智也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トランスジェニック / CRP / 動物モデル / insulator / プレスリリース / ウサギ / 高脂血症 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
より高発現なfounderの作製 前年度ですでにC反応性蛋白(CRP)を発現するトランスジェニックウサギの開発に成功したが、さらにヒト病態に即した高発現の系統作出のため、新たな戦略によるconstructの開発を行なった。insulator配列と呼ばれる特殊な配列を、これまでのconstructの両端に挿入することにより、組み込まれた染色体の位置による影響を受けずに安定した高発現が実現可能となる。この新たなconstructを用いて、392個の受精卵にマイクロインジェクションを行い、36羽の子ウサギが誕生、うち5羽(3羽は死産)にCRP遺伝子の導入が確認された。遺伝子が導入されかつ生存していた子ウサギの離乳後、耳組織の一部の採取と採血を行い、耳組織からgenomic DNAを抽出してサザンブロッティングを行い、また、血漿を用いてELISAを行なった。その結果、2羽のウサギのgenomic DNAにヒトCRPが組み込まれていることを確認し、また、ELISAの結果、2羽のウサギの血中にそれぞれ50mg/L,8mg/LのヒトCRP蛋白が存在していることが明らかになった。これらのウサギを繁殖し、次年度の研究の円滑な遂行を目指している。 CRP研究の成果が世界にプレスリリース 前年度に研究を行い、本年度にAmerican Journal of Pathologyに掲載された「C-reactive protein in atherosclerotic lesions : its origin and pathophysiological significance」の論文が本年度9月末、全世界のメディアに向けプレスリリースされた。それを受けて筑波大学でも、国内のメディア向けの記者説明会を行った。それにより、日本国内6社、海外13社(アメリカ、ドイツ、中国)の新聞およびインターネットニュース等で取り上げられた。
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Research Products
(4 results)