2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07301
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
若林 真衣子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 対アルコール依存症 / 性差 / 自意識 / 対人不安 |
Research Abstract |
今年度は昨年度より行っている研究を継続した。研究の概要は以下の通りである。 近年女性のアルコール依存症者(以下ア症者)が増えている中、日本の回復期ア症者治療の中心である自助グループにおけるア症者の自助グループ活動継続率には性差がある。また、わが国のア症研究における男女のサンプリングには偏りがあり、ア症者における男女の相違点が明らかとなっていない状況である。自助グループへの参加が現在ア症者の回復に最も有効であるとされている中、自助グループ会員を対象とした、男女の相違点を調査する研究が行なわれていないのは問題であると考えられる。本研究では、まずはア症の集団治療への参加に大きくかかわる対人不安の基盤となる自意識に注目し、ア症者における自意識の性差と自意識に関わる要因を検討し、男性ア症者と女性ア症者との共通点及び相違点を明らかすることを目的とし、有意抽出法(割当法)を用いることによって、男女比約4:1という国内ア症者推定男女比(樋口ら,2005)とほぼ同じ比率で質問紙による調査を行った。 質問紙は自意識尺度及び対象者の属性に関する質問で構成された。年齢・性別・医師による診断はサンプルの偏りを防ぐために設置した項目である。再飲酒の有無とその回数・断酒期間・ア症治療による入院経験の有無・アルコール依存症治療による通院経験の有無・所属している自助グループ・同居家族の有無・現在における抗酒剤の服用の有無・自助グループミーティング出席頻度・飲酒理由を自意識及び対人不安に影響を及ぼす可能性がある項目として設定した。 予備調査により質問紙の内容についての妥当性を検討したうえで本調査を行った。対象はア症者による自助グループ会員を中心としたア症者176名。うち回答に不備の少なかった148名を分析対象とした。現在分析中である。
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