2005 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラブルかつディペンダブルな大規模P2Pグリッドコンピューティングの研究
Project/Area Number |
05J07324
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中島 佳宏 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グリッドコンピューティング / OmniRPC / peer-to-peer / プログラミングミドルウェア / 遠隔手続き呼び出し / 並列プログラミングモデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,ネットワークに接続された数万台のPCの計算資源を有効利用し,簡便にスケーラブルな高性能計算を可能にする汎用的なフレームワークを構築することである.このために,グリッド向け遠隔手続き呼び出し(RPC)機構を中心として並列分散プログラミングシステムを開発している. 当該年度の成果,進捗は以下の通りである. 1.P2P上におけるグリッドコンピューティングを行うためのプログラミングモデルについての検討を行った。 2.RPC機構において,ネットワーク通信で行っていたデータ通信をドキュメントベースに変更することにより,従来のRPC機構で一緒に行ってきたデータ通信と計算を分離することが可能になった.これによって,各拠点でのジョブスケジューリングで管理されている計算資源を利用可能になり,使用できる計算環境を広げられた.さらに計算ノード側の耐故障性も保証できる.また,ジョブスケジューリングで管理された計算機をRPCから利用できるようになった.4つのスケジューラに提案システムを実装し,予備的な性能評価を行い,従来のシステムと同程度の性能が得られていることがわかった. 3.基本的にRPC機構では通信は1対1で行うため,スケーラビリティーを妨げる原因となっている.そこで,広域ネットワーク上のネットワークトポロジを考慮した効率的なデータ転送を行うミドルウエアレイヤの開発を行った.データ転送部分にP2Pファイル共有ソフトと分散ファイルシステムを利用した.性能評価では,本システムを利用しない従来のシステムと比較して高いスケーラビリティーを実現できた. 4.高いスケーラビリティーを確保すべく,それらの要素技術である,分散ハッシュアルゴリズムやデータの配布を効率よく行うためのマルチキャストについての調査を行った.
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Research Products
(5 results)