2006 Fiscal Year Annual Research Report
界面張力による微少流体制御とその高機能化学集積回路への展開
Project/Area Number |
05J07335
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 航 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 界面張力 / バブルポンプ / マイクロタス / 電気化学 / マイクロポンプ |
Research Abstract |
1・バブル型ポンプの構築 水の電気分解によって生成する水素気泡を用いた微小送液機構を構築した。本システムでは、電極の表面積が非常に大きい白金黒を利用することで、低消費電力で水素気泡の生成・消滅を素早く繰り返し、連続的に溶液の吸引・排出を行える系を構築した。実際に、バブル型ポンプに酵素反応を利用したグルタミン酸センシングシステムを構築し、サンプル溶液、試薬溶液の送液・混合・検出をワンチップ上で行うことのできるシステムを構築することができた。 2・毛細管現象を利用した送液機構の構築 毛細管現象を利用した微小送液機構を構築した。毛細管現象は一度送液をはじめると、流路を溶液が満たすまで送液を止めることができないという問題点があったが、電極の濡れ性を制御するエレクトロウェッティング現象をバルブとして応用し、毛細管現象と組み合わせることで、送液自体に外力を全く必要とせず、極めて消費電力の小さい送液制御機構を構築することができた。また、毛細管現象による送液速度を示す理論式との比較を行い、実験結果とよく一致することが確かめられた。また、本システムは自由に送液のタイミングや送液方向を制御することができ、集積化センシングシステムに最も適した機構であると考えられる。 3・センシングシステムの集積化 2で構築した微小送液機構と電気化学センサを集積化し、微小化学分析システムを構築した。わずか15mm四方のチップ上に、グルコース・ラクテート・GOT・GPT・pH・アンモニア・尿素・クレアチニンの8つのセンサを集積化し、そのそれぞれのセンサにおいて各項目が定量できることを確認した。また、必要とするサンプル溶液はわずか3μlと一滴分にも満たない液量を、微小送液機構によって適宜、必要なセンシングシステムに分配することで各センサでの検出を実現した。
|
Research Products
(1 results)