2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規な作用機序に基づく海洋産抗腫瘍性マクロライドの作用機序解明
Project/Area Number |
05J07336
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 武史 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | aplyronine A / アクチン脱重合 / 抗腫瘍性マクロライド / mycalolide B / 海洋産マクロライド / 光アフィニティー / 蛍光基 / アフィニティーカラム |
Research Abstract |
1.アクチン-アプリロニンA複合体に相互作用する第3の分子の探索研究 アクチン相互作用物質アプリロニンAの抗腫瘍機序発現に関与する第3の分子を探索する研究を行った。アプリロニンAに存在する水酸基をビオチン化し,ビオチニルアプリロニンAを合成した。現在は,ビオチニルアプリロニンAを用いたアフィニティーカラム実験及び,アプリロニンAの細胞内挙動を解明する目的でアプリロニンAの蛍光誘導化実験を行っている。 2.アクチン相互作用分子のアクチン結合部位に関する研究 アプリロニンAは,アクチンのサブドメイン1-3間の疎水性クレフト(以下,疎水性クレフト1)に対して結合能を有する。アプリロニンAの側鎖をリガンドとして用いた光親和性実験を応用し,疎水性クレフト1に結合能を有する生物活性物質を識別するための実験を行った。疎水性クレフト1に結合する事が知られるミカロライドBとアプリロニンAを阻害剤として光親和性実験を行ったところ,光標識が阻害された。一方,疎水性クレフト1とは異なる結合部位を有するラトランクリンB,サイトカラシンDを阻害剤とした光親和性実験では,光標識の阻害は起こらなかった。この事から,疎水性クレフト1に結合する物質を簡便に識別する方法を確立した。 続いて,サイトカラシンD結合部位を標識するプローブの合成を行った。市販のサイトカラシンDをリガンドとして用いた光親和性プローブを合成し,阻害実験を行ったところ,サイトカラシンDはプローブの光標識を阻害しなかった。この事から,サイトカラシンDをプローブへと誘導することによって,サイトカラシンDのアクチン結合部位が変化した,もしくは結合能を失った事を示した。
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Research Products
(2 results)