Research Abstract |
昨年度までの研究により,同時含浸法により調製したNi/CeO_2/Al_2O_3触媒がバイオマスの水蒸気ガス化試験において,高い性能を導くことを明らかにしてきた.この同時含浸法により調製したNi/CeO_2/Al_2O_3触媒が高い性能を導く理由として,Ni K-edge EXAFS, TEM観察の結果,Ni/Al_2O_3および逐次含浸で調製したNi/CeO_2/Al_2O_3触媒と比較し,Ni粒子が微粒子で存在し,またNiとCeO_2との強い相互作用を持していることに因るものであることが示唆された. 本年度の研究において,この同時含浸法により調製したNi/CeO_2/Al_2O_3触媒に,さらに微量の貴金属(Pt, Rh, Ru, Pd)を添加することにより,バイオマスの水蒸気ガス化試験の際に,より高い性能を導くことを見出した.また,貴金属の中でも特にPt添加が顕著に触媒活性を向上させる結果が得られ,その添加量は0.01wt%と極微量においても効果を示した.TPR, EXAFS解析の結果より,他の貴金属(Rh, Ru, Pd)添加触媒とは異なり,微量Pt添加触媒Pt/MCeO_2/Al_2O_3のみが,Niと添加貴金属(Pt)が合金を形成していることが確認され,このPt-Ni合金形成が,バイオマスの水蒸気ガス化試験において,他の触媒と比較し高い性能を導いたと示唆される.他の貴金属添加触媒においては,添加した貴金属(Rh, Ru, Pd)はNiとではなく,CeO_2と強い相互作用を示していると考えられる.
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