Research Abstract |
昨年度までの研究により,バイオマスの水蒸気ガス化試験において高い活性を示すと報告してきたNi/CeO_2/Al_2O_3に微量の貴金属(Pt, Pd, Ru, Rh)を添加することによりさらに高い活性を与えられることを見出してきた.その中でも特にPtを添加したPt/Ni/CeO_2/Al_2O_3においては,反応温度823K,還元処理なしという条件においてもTar収率がほぼゼロと顕著な貴金属添加効果が示された.これはEXAFS,TPRの結果からPtのみがNiと合金を形成していることが確認でき,PtがNiの還元を促進しているために還元処理なしでも高い活性が得られたと考えている.しかし,高い初期活性を示すPt/Ni/CeO_2/Al_2O_3においても,バイオマスの水蒸気ガス化寿命試験においては150min程度で劣化してしまうことが示された. 本年度の研究において,種々のキャラクタリゼーションの結果から,Pt/Ni/CeO_2/Al_2O_3の劣化要因がNi粒子の凝集であることが示唆された.そこで,Pt/Ni/CeO_2/Al_2O_3にMgを添加したPt/Ni/CeO_2/MgO/Al_2O_3を検討した所,240min安定な活性が維持されることが確認でき,試験後の触媒のXRD,EXAFSの結果から,Ni粒子の凝集を抑止できていることが確認できた.また,Pt/Ni/CeO_2/MgO/Al_2O_3のNi粒子は,Pt/Ni/CeO_2/Al_2O_3のNi粒子に比べ高分散していることが示され,このことによりNi粒子の凝集を抑制できたのではと考えられる.さらに,一部のNi粒子は凝集してしまうが,再生処理を行うことでNi粒子は再分散されることが確認できた.
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