2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジルの民衆教育運動における主体形成と組織化に関する研究
Project/Area Number |
05J07450
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
二井 紀美子 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 民衆教育運動 / 民衆教育 / 青年・成人教育 / 識字教育 / ブラジル / 主体形成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ブラジル民衆教育運動の形成・展開過程における民衆の主体形成と運動の組織化について理論化をはかることである。研究計画一年目の本年度は、先行研究の検討と現地調査の実施および検討を行った。 現地調査は、2005年6月下旬から9月中旬まで2ヶ月半にわたりブラジルに滞在し、これまでに実施した予備的な調査の結果に基づいて、調査活動を行った。主な調査対象は、ブラジリア連邦区パラノア地区で活動している民衆教育運動組織CEDEPである。参与観察と、学習者・支援者への聞き取り調査を実施し、基礎的なデータを収集した。主な成果は、民衆教育運動を通した学習者および支援者の自己認識や社会参加への意欲の高まりなど、参加者の内的変化に関するデータを広く収集できたことである。 また、訪伯中には、各種の関連学会、会議に参加し、現地の研究者や実践家と活発な意見交流を図った。2005年8月31日〜9月3日までブラジリア郊外で行われた第7回全国青年・成人教育会議(VII EN EJA)では、青年・成人教育の最新の全国動向などに関する資料を収集したほか、全国の青年・成人教育担当の行政官や運動家と意見交換し、現場の貴重な意見を集めた。また、同じく2005年9月に行われた第16回全伯日本語・日本文学・日本文化学会(XVI ENPULLCJ)にて、先行研究検討の一環として、「O Desenvolvimento dos Estudos sobre a Educacao Brasileira no Japao(日本におけるブラジル教育研究の発展)」を発表した。その後同学会誌に投稿した同題論文は、2006年3月現在、受理されて採録が決定している。 現地調査終了後は、現地調査で得たデータ・文献の整理と分析など基礎作業を中心に行い、それらの成果をもとに、現在論文を執筆している。
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