2005 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線観測による太陽系外惑星系の形成と進化に関する研究
Project/Area Number |
05J07488
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深川 美里 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 赤外線観測 / 惑星系形成 / 星形成 / 原始惑星系円盤 / 褐色矮星 / 赤外線衛星 |
Research Abstract |
今年度の大部分は、アメリカ、スピッツァー・サイエンス・センターへ赴き、スピッツァー望遠鏡によって得られた赤外線データの解析を行った。この経験は、2006年2月に打ち上げられたASTRO-F望遠鏡による観測に生かすものである。参加したプロジェクトの目的は、近傍の星形成領域であるおうし座分子雲を、面積約28平方度にわたって波長3.6ミクロンから160ミクロンで観測し、星・惑星形成などのサイエンスを行う基盤となる測光カタログを作成することである。この観測プロジェクトにおいて、24ミクロンのデータの解析と、近赤外・中間赤外データからの点源抽出をリードした。年度末に初バージョンの測光カタログがほぼ作成され、赤外線の色情報などから、これまでに同定されていない、原始惑星系円盤を持つと思われる天体を多数発見した(これまで知られている円盤天体の数から計算すると、26%の天体数の増加)。同時に、スピッツァーの高い感度により、円盤を持つ褐色矮星も多数検出された。これにより、赤外線の情報と、星本体や星近傍のガスの状態を示す可視光観測の情報とを合わせて、褐色矮星の円盤構造、惑星形成の可能性について、統計的な研究が可能となった。円盤ガスの降着率とダスト超過との相関、円盤構造や進化(フレア、ダストサイズの進化)におけるTタウリ型星との類似性が、70ミクロンまでのデータを用いて統計的に確認された。 昨年度までに観測が終了している、原始惑星系円盤の高解像度観測結果について、論文や国際研究会において発表を行った。すばる望遠鏡による近赤外線での撮像観測では、円盤ダストからの散乱光をとらえ、円盤構造を15AUの細かさで調べることに成功している。その結果、天体のスペクトル分布だけからは類推できない、構造の多様性が実在することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] A coronagraphic search for brown dwarfs and planets around nearby stars2005
Author(s)
Nakajima, T., Morino, J.-I., Tsuji, T., Suto, H., Ishii, M., Tamura, M., Fukagawa, M.et al.
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Journal Title
Astronomische Nachrichten 326
Pages: 952
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[Journal Article] Weak-line T Tauri Star Disks I. Initial Spitzer Results from the Cores to Disks Legacy Project
Author(s)
Padgett, D.L., Cieza, L., Stapelfeldt, K.R., Evans, N.J., Koerner, D., Sargent, A., Fukagawa, M.et al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal (印刷中)
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