2006 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線観測による太陽系外惑星系の形成と進化に関する研究
Project/Area Number |
05J07488
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深川 美里 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 赤外線観測 / 惑星系形成 / 星形成 / 原始惑星系円盤 / 褐色矮星 / 赤外線衛星 |
Research Abstract |
年度の前半はスピッツァー・サイエンス・センター(アメリカ)へ赴き、スピッツァー望遠鏡によって得られた赤外線データの解析を行った。前年度から引き続いておうし座分子雲観測プロジェクトに参加し、主に点源抽出作業を担当して、波長3.6ミクロンから160ミクロンでの測光カタログ作成に貢献した。最初の測光カタログが作成され、測光の改善と初期カタログを用いたサイエンスの検討を行った。スピッツァーによる観測では、その高い感度によって主に質量の小さい前主系列星について新しい観測結果が得られている。褐色倭星に対しては、可視光観測の情報24ミクロンまでの赤外線情報を合わせ、円盤ガスの降着率とダストによる赤外超過との相関が得られた。また、エネルギー分布の解析によって、褐色倭星の円盤構造とその進化(フレア、ダストサイズの進化)のタイムスケールはTタウリ型星と同様であろうということが分かった。この結果はフランスのグループと共同で出版している。また、太陽の10分の1の質量を持つ超低質量星については、円盤を持つと考えられる天体の70ミクロンまでのエネルギー分布が得られ、より外側(10AU以遠)の円盤の情報を議論することが可能となった。これについても、円盤構造やその進化段階といった点についてTタウリ型星との類似性が確認された。 年度後半には、「あかり」望遠鏡のデータ解析を開始した。あかりのベガ型星観測プロジェクトでは、全天サーベイのデータを用いて超過の大きいベガ型星を探査する他、中間赤外域で精度の良い解析を行って微少量(2〜3%)の超過を検出するために、近傍主系列星の指向観測も行っている。この指向観測は9月から開始され(来年度秋まで継続予定)、取得できた中間赤外線のデータの解析を担当した。初期解析からすでにベガ型星を複数検出しており、プロジェクトの見通しを得ることができた。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] The Asymmetric Thermal Emission of the Protoplanetary Disk Surroun ding HD 142527 Seen by Subaru/COMICS2006
Author(s)
Fujiwara, H., Honda, M., Kataza, H., Yamashita, T., Onaka, T., Fukagawa, M.et al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal 644・2
Pages: 133
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[Journal Article] The SPITZER c2d Survey of Weak-Line T Tauri Stars. I. Initial Results2006
Author(s)
Padgett, D.L., Cieza, L., Stapelfeldt, K.R., Evans, N.J., Koerner, D., Sargent, A., Fukagawa, M.et al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal 645・2
Pages: 1283
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