2007 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線観測による太陽系外惑星系の形成と進化に関する研究
Project/Area Number |
05J07488
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深川 美里 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 赤外線観測 / 惑星系形成 / 星形成 / 原始惑星系円盤 / 褐色矮星 / 赤外線衛星 |
Research Abstract |
「あかり」衛星によるベガ型星観測プロジェクトでは、全天サーベイのデータを用いて超過の大きいベガ型星を探査する他、中間赤外域で精度の良い解析を行って、より惑星形成領域に近い領域の塵円盤による赤外超過を検出するために、近傍主系列星の指向観測も行ってきた。観測は2007年8月に終了し、約100天体を指向観測で観測した。私は中間赤外線での指向観測データの解析を担当し、取得したデータの処理を年度内にほぼ終えることができた。あかりのバンド数を生かした解析によって、従来よりも2倍程度高い精度で微少量(星の5%程度)の赤外超過を検出することに成功した。これにより温度100K以上のあたたかい塵円盤を持つ可能性のある天体を新たに10天体程度発見した。スピッツァー望遠鏡を用いたおうし座分子雲観測プロジェクトにおいては、太陽の10分の1程度の質量を持つ超低質量星の円盤について解析を進め、この観測成果を投稿論文の草稿にまとめることができた(2008年5月初めに投稿予定)。これらの円盤のエネルギー分布を70ミクロンまで得て、従来の24ミクロンまでを主体とした観測よりも、より外側の円盤構造を調べることができた。円盤の性質は太陽程度の質量の天体と似ていることを確認したが、中でも、多くの前主系列星に付随する光学的に厚い円盤から、主系列星の周囲に見られる光学的に薄い円盤への進化の途中にある段階の円盤を、超低質量星の周囲に見つけたことは重要な結果である。これは、観測したような低温の星に付随する円盤も、より高温の星の円盤と同様のタイムスケールで構造が進化することを示唆している。原始惑星系円盤の散逸過程として、星による円盤加熱という仮説が現在有力であるが、これに疑問を投げかけ、代わりに惑星形成による円盤進化の可能性を指摘することとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Discovery of a Scattering Disk around the Low-Mass T TauriStar FN Tauri2008
Author(s)
Kudo, T., Tamura, M, Kitamura, Y., Hayashi, M., Kokubo, E., Fukagawa, M., et. al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal 673
Pages: L67-L70
Peer Reviewed
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[Journal Article] On the circum(sub)stellar environment of brown dwarfs in Taurus2007
Author(s)
Guieu, S., Pinte, C., Monin, J.-L., Menard, F., Fukagawa, M., et. al.
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Journal Title
Astronomy and Astrophysics 465
Pages: 855-846
Peer Reviewed
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