2005 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマデタッチメントとダスト発生に関与する分子過程の解明とその効果の検証
Project/Area Number |
05J07503
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 信 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員 PD
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Keywords | 核融合プラズマ / ダイバータ / 分光法 / 負イオン / レーザー光脱離法 / タングステン / ヘリウムホール / ヘリウムバブル |
Research Abstract |
本年度はダイバータ模擬装置において,プラズマデタッチメントに関連する素過程を解明するために重要なパラメータとなる負イオン密度と電子温度・密度の計測法(レーザー光脱離法及び分光的手法)の実験検証をすると共に,国際熱核融合炉(ITER)において重要なダイバータ材の候補となっているタングステンへのパルス的熱負荷の影響について模擬実験を行った. レーザー光脱離法の磁化プラズマ中での検証のために,静電プローブ周辺の電子シース厚及び脱離電子の捕集領域の計測を行った.その結果,磁化プラズマ中においても,電子シースの厚みとプローブの厚み(直径)に加えて1-2mm程度大きな直径を持つレーザーを使用することにより負イオン密度を正確に評価できていることを明らかにした.加えて,レーザー照射に伴うプローブ表面アブレーションの影響について実験的に問題点を提示し,プローブを加熱することにより問題を回避できることを明らかにした. 分光的手法の検証を行うために,測定された線強度比から衝突輻射モデルを用いて電子温度及び密度を評価し,静電プローブ法との比較を行った.ヘリウムの線強度比には,728.1nm,667.8nm,706.5nmの発光線を用いた.分光法から得られた電子温度・密度を静電プローブ法から得られた値と比較すると分光法はプローブ法に比べて数倍から一桁程度大きな値を示したが,輻射捕獲の影響を考慮にいれることにより両者は良く一致し,計測法として適用できることを示した. 損傷を受けたタングステンへのパルス的熱負荷を調べるためにヘリウムプラズマ照射の条件下でレーザーパルスを照射しタングステン表面をSEMにより観察した.実験結果より,パルス熱負荷が重畳された場合はホールの形成とともに,幅数μm程の溝も多数観測され表面損傷が劇的に促進されており,瞬時的熱負荷がタングステンにおけるHe照射損傷を促進させることが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)