2005 Fiscal Year Annual Research Report
中・低緯度電離圏イレギュラリティと中性-電離大気上下結合の観測的・理論的研究
Project/Area Number |
05J07518
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 竜宏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電離圏 / シミュレーション / 赤道大気レーダー / スプレッドF / プラズマバブル / MSTID / スポラディックE層 |
Research Abstract |
本研究では、中緯度電離圏F領域(高度〜300km)において観測される中規模伝搬性電離圏擾乱(Medium-Scale Traveling Ionospheric Disturbance ; MSTID)の生成に関して、初めて3次元シミュレーションモデルを用いた検証を行った。高度90kmから430kmまでを含む3次元モデルを用いることにより、電離圏E領域(高度〜100km)に出現するスポラディックE(Es)層が高度300kmにおけるプラズマ不安定に及ぼす影響を明らかにした。E-F領域間は地球磁場により結合されており、E領域に高密度のEs層が存在するとF領域におけるプラズマ不安定を抑制する一方、E領域において強い分極電場が発生すると、F領域にまで影響を及ぼし、F領域におけるプラズマ不安定の原因となり得ることが明らかとなった。 一方、低緯度電離圏において観測されるプラズマバブルに関して赤道大気レーダー(Equatorial Atmosphere Radar ; EAR)を用いた解析を行った。EARはその高速ビーム走査機能により、従来の機器では観測が困難であったプラズマバブルの東西構造の観測が可能である。F領域に現れるプラズマバブルと磁力線で結合されたE領域を同時観測することにより両者の関係を明らかにした。電離中間層と呼ばれる高度150km付近に出現するイレギュラリティはプラズマバブルと同様の東西構造を持つこと、さらにプラズマバブルの発生直後にE領域のイレギュラリティが消滅することから、プラズマバブルが低緯度E領域に強い影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)