2006 Fiscal Year Annual Research Report
中・低緯度電離圏イレギュラリティと中性-電離大気上下結合の観測的・理論的研究
Project/Area Number |
05J07518
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 竜宏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電離圏 / プラズマバブル / 赤道大気レーダー / スプレッドF / シミュレーション / MSTID / スポラディックE層 / 大気重力波 |
Research Abstract |
前年度に開発した中緯度電離圏E領域(高度〜100km)とF領域(高度〜300km)を結合させたシミュレーションモデルの改良を行い、中規模伝搬性電離圏擾乱(Medium-Scale Traveling Ionospheric Disturbance ; MSTID)の生成に関する研究を継続して実施した。E-F領域間は地球磁場により結合されており、E領域に高密度のスポラディックE(Es)層が存在するとF領域におけるプラズマ不安定に強い影響を与える。下層大気で発生した大気重力波に関するシミュレーションと本モデルを結合させた結果、大気童力波がE領域において分極電場を発生させ、それがF領域におけるプラズマ不安定の原因となり得ることを明らかにした。 同様に、低緯度電離圏において観測される赤道スプレッドF(プラズマバブル)に関して赤道大気レーダー(Equatorial Atmosphere Radar ; EAR)を用いた研究を継続して実施した。EARはその高速ビーム走査機能により、従来の機器では観測が困難であったプラズマバブルの成長過程の2次元分布が観測可能である。発生直後のプラズマバブルの成長速度を見積もった結果、過去の理論的推測と大きな差は見られなかったが、事例毎に非常に変動が大きく局所的な要因がプラズマバブルの成長に寄与していることが明らかとなった。また、台湾のROCSAT-1衛星とEARの同時観測例に関する研究を行った。ROCSAT-1プラズマ密度の増加を観測した時刻に、同一磁力線上でEARがレーダーエコーを観測しており、両者が空間的に非常に良い対応を示すことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)