2007 Fiscal Year Annual Research Report
フラビン分子を鍵とする自己集合型機能性超分子複合体の開発
Project/Area Number |
05J07529
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯田 拡基 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教
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Keywords | らせん高分子 / ポリイソシアニド / 不斉触媒 / アルドール反応 / ポリアセチレン / リボフラビン |
Research Abstract |
生理活性物質であるリボフラビン(vitamin B_2)を側鎖、主鎖骨格に有する重合体を構築することで、フラビン分子の配列制御を行い、従来にない機能を発揮する新材料の開発を行った。まず単量体として、フラビン部位を有する種々のアセチレン化合物を合成し、クロロホルム中、トリエチルアミン存在下、触媒量の[Rh(cod)_2]BF_4を用いて重合することにより、リボフラビンを側鎖に有するポリアセチレン(Mn>1×10^4)を合成した。フラビン部位は、らせん構造を有するポリアセチレン主鎖の周囲に規則正しく配列制御されていると予想され、興味深い酸化還元能や蛍光性が発現することが期待できる。また、メチレンリンカーによりリボフラビンを連結させた重合体の円二色性(CD)スペクトルからは、フラビン環のπ共役系に起因する長波長領域に、単量体では観測されないコットン効果が観測された。これは、リボフラビン重合体が超構造体を形成したことにより、リビチル基のキラリティーがフラビン環に影響を与えたことを示しており、新規キラル材料として今後の展開が大いに期待される。 また、側鎖にカルボキシル基を有し、一方向巻きのらせん構造を誘起・記憶したポリフェニルイソシアニド誘導体h-poly-1の側鎖に、ピペラジン部位を部分的に修飾したコポリマーh-poly(1-co-2)を合成した。検討の結果、側鎖のカルボキシル基と、ピペラジン由来の2級アミンとの協奏的作用により、本高分子はアルドール反応の触媒として働くことが明らかとなった。この高分子触媒は、主鎖のらせんキラリティーにより、最大12%ee不斉選択性を発揮することができる。これは誘起らせんノ高分子を利用した初めて不斉触媒の例であり、らせん高分子の応用における試金石となっている。
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Research Products
(2 results)