2007 Fiscal Year Annual Research Report
線虫のUNC-33分子が関与する神経細胞の形態及び極性形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
05J07536
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坪井 大輔 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員-PD
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Keywords | 神経 / 軸索 / UNC-33 / 線虫 / 極性 |
Research Abstract |
細胞内骨格系の制御因子Rhoキナーゼは、神経極性決定因子CRMP-2の基質として同定されている。CRMP-2の線虫ホモログであるunc-33遺伝子の機能欠損は神経形態に異常を引き起こすことが知られている。しかしながら、UNC-33/CRMP-2が関与する分子メカニズムは解明されていない。 これまでに私は、抗UNC-33抗体を用いた免疫染色からUNC-33が神経細胞の軸索突起に局在していることを見いだし、UNC-33の局在がUNC-51/ULK1 kinase、UNC-14等の分子によって制御されていることを発見した。本年度私は、これまでに線虫を用いた解析で得られた知見が哺乳類においても保存されているかどうかを検証するため、UNC-51キナーゼのヒトホモログULK1およびUNC-33ヒトホモログCRMP2を用いて解析を行った。その結果、CRMP2はULK1のキナーゼ基質候補であることをin vitro kinase assayにより見出した。この結果はUNC-33/CRMP2が関与する細胞内シグナル経路が種間で保存されており、共に軸索形成に関与していることを強く示唆するものであった。この知見は極めて興味深いものであり、線虫を用いた遺伝学的解析結果に基づいて哺乳類神経細胞での機能解析へとフィードバックすることのできた良いロールモデルとなった。従って,本年度の成果は神経回路形成機構を理解する上で極めて重要であり、結果として本年度の研究計画はほぼ達成ができたと考えている。
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Research Products
(2 results)