2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞質型チオレドキシン標的膜タンパク質の検索と調節機構の解明
Project/Area Number |
05J07570
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 華代 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | チオレドキシン / レドックス制御 / プロテオミクス / 膜タンパク質 / 植物 |
Research Abstract |
生体内で還元調節を仲介する分子の一つであるチオレドキシンは、分子量1万2千の小さなタンパク質で、他の酵素のジスルフィド結合を還元することで活性を制御する。これまでに、チオレドキシン変異体の固定化担体を用いたスクリーニング法を、高等植物の葉緑体や細胞質タンパク質に適用することで、チオレドキシンにより調節される分子が次々と明らかにされている。 本研究では、膜輸送体やレセプターといった細胞機能に重要な分子を含む膜画分に着目し、チオレドキシンにより調節を受ける膜タンパク質分子を探索し、得られた分子の還元調節機構を生化学的に解析することで、チオレドキシンによる活性制御に共通の仕組みを見出すとともに、その生理的役割を明らかにすることを目指す。 本年度は、シロイヌナズナ培養細胞から調製したポストミトコンドリア画分をアルカリ洗浄後、界面活性剤で可溶化し、チオレドキシン変異体固定化担体カラムに供与して様々な条件でスクリーニングを行った。捕捉されたチオレドキシン標的分子の候補については、MALDI-TOF/TOF MSを用いた質量分析で分子種の同定を行った。本研究で同定した分子には、生理機能が重要な新規チオレドキシン標的分子の候補が含まれ、今後、これらの生化学解析を進める。 一方、ポストミトコンドリア画分を用いたスクリーニングでは、情報伝達や細胞機能に重要な分子が多数存在すると考えられる細胞膜の分子を捕捉することが出来なかった。ERやゴルジなど構成的かつ多量にタンパク質を含むオルガネラ由来の膜が存在するために、細胞膜の分子が捕捉されなかったと考えられる。そこで、この解決策として、培養細胞から収率・純度良く細胞膜を調製する方法を検討し、得られた膜標品をスクリーニングに供与した。結果、複数のタンパク質分子が捕捉され、分子の同定を進めている。
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Research Products
(1 results)