2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネにおけるブラシノステロイドとオーキシンの相互作用機構の解析
Project/Area Number |
05J07571
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 郁子 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 特別研究員PD
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Keywords | イネ / ブラシノステロイド / オーキシン |
Research Abstract |
今年度は昨年度行っていたイネブラシノステロイド(BR)関連変異体の探索の結果得られた候補のうち2つの変異体について、原因遺伝子を決定したが、それらはそれぞれすでに単離された変異体である、BR生合成酵素であるDWARF遺伝子を欠失したbrd1変異体とジベレリン生合成酵素であるKO2遺伝子を欠失したd35変異体のアリルであった。従ってこれらの変異体についての研究は中止した。一方BR生合成阻害剤であるBrzとイネのアクティベーションタグラインを用いてBRのシグナル伝達の正の制御因子の探索を開始した。また、昨年度に引き続きイネのBRレセプターと考えられるOsBRI1およびそのホモログのOsBRL1〜3について、BRとの結合活性測定を行う準備を行っている。シロイヌナズナでBRとの結合部位とされているペプチドタンパク質を作成し、フォトアフィニティーラベルしたBRの一種であるカスタステロンと反応させたところ、これらが結合することが分かった。OsBRI1のホモログであるOsBRL1〜3でも同様の実験を行う予定である。さらにOsBRI1や、そのホモログで全長を用いてより詳細な解析を行うために、シロイヌナズナでこれらの遺伝子を過剰発現するような形質転換体を作成している。BR生合成関連遺伝子や、OsBRI1,OsBRL1およびOsBRL3がオーキシンによって遺伝子発現が制御されている可能性を検討するために半定量的RT-PCRを行った。その結果、OsBRI1以外の遺伝子がオーキシン処理によってオーキシン早期応答性遺伝子であるOsIAA3の発現が上昇した後発現が上昇している傾向が見られた。これについては再現性を確認中である。
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