2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の都市空間とエスニック問題-在日フィリピン人女性エンターテイナーを事例に-
Project/Area Number |
05J07594
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 亮吾 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | フィリピン人女性エンターテイナー / 都市空間 / エスニシティ / フィリピン・パブ空間 / 地理学 / 名古屋市 / 栄ウォーク街 / エスニック問題 |
Research Abstract |
政治・経済・文化・社会のグローバリゼーション下にある現代は,同時に「移民の時代」であるとも言われている.特に1970年代以降のアジアやラテン・アメリカ地域からの女性の国際的な移動の増加は,「人の移動の女性化feminization of migration」という新たな問題関心を喚起した.このような女性移住労働者の送り出し地として重要な位置を占める国は,アジアのフィリピンである.とりわけ日本には,フィリピンから多くの女性がエンターテイナーとして渡航してきている点,そして彼女たちの就労先であるフィリピン・パブが実際の日本の都市空間に顕現している点などから,都市とエスニック問題を考える上で注目すべき一事例である. 本研究は,フィリピン人女性エンターテイナーと彼女らの就労先であるフィリピン・パブを調査の対象としており,フィールドワークやインタヴュー調査,言説資料の収集・分析などを通して,彼女らを取り巻く社会関係と空間の形成を明らかにすることが研究のテーマである. 平成17年度においては上記研究テーマのもと,名古屋市栄ウォーク街におけるフィリピン・パブへのフィールドワーク及びエンターテイナー数名へのインタヴュー調査を実施し,その記録をデータ資料として整理した.インタヴュー調査では,パブでの就労環境や経験についての質問を中心に,来日前の状況や家族構成など彼女たちのライフヒストリーにかかわる聞き取りも行った. 来年度以降は,引き続き彼女たちへのインタヴュー調査を重ねるとともに,エンターテイナーのライフヒストリーに関する言説資料の収集及び分析を進め,よりいっそうの研究蓄積を図り成果の発表を行う.また,教会やフィリピン人自助団体でのコミュニティ調査も引き続き継続していく.
|
Research Products
(2 results)