2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本の都市空間とエスニック問題-在日フィリピン人女性エンターテイナーを事例に-
Project/Area Number |
05J07594
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 亮吾 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フィリピン人女性 / 都市空間 / エスニシティ / フィリピン・パブ / 地理学 / エンターテイナー / 名古屋市 / 栄ウォーク街 |
Research Abstract |
政治・経済・文化・社会のグローバリゼーション下にある現代は,同時に「移民の時代」でもある.特に1970年代以降のアジアやラテン・アメリカ地域からの女性の国際的な移動の増加は,「人の移動の女性化」という新たな問題を惹起した.このような女性移住労働者の送り出し地として重要な位置を占める国は,アジアのフィリピンである.とりわけ日本には,フィリピンから多くの女性がエンターテイナーとして渡航してきている点,そして彼女たちの就労先であるフィリピン・パブが実際の日本の都市空間に顕現している点などから,本研究は「都市とエスニック問題」を考える上で注目すべき事例である.1980年代以降のこうした現象は,研究対象地域の名古屋市中区「栄ウォーク街」にも数多くのフィリピン・パブの立地を促し,その一角にフィリピン・パブ空間を出現させた.この空間は,当のフィリピン人女性だけでなく多くのフィリピン人男性をも吸引し,「リトル・マニラ」などとも形容されている. 本研究のテーマは,フィリピン人女性エンターテイナーと彼女らの就労先であるフィリピン・パブを調査の対象としており,フィールドワークやインタヴュー調査,言説資料の収集・分析などを通して,彼女らを取り巻く社会関係と空間の形成を明らかにすることである. 平成17年度においては上記研究テーマのもと,当該地区におけるフィリピン・パブへのフィールドワーク及びエンターテイナー数名へのインタヴュー調査を実施し,その記録をデータ資料として整理した.また平成18年度は,引き続き彼女たちへのインタヴュー調査を重ねたとともに,この「リトル・マニラ」の一側面を構成するフィリピン人ビジネスに関する聞き取りも行った.加えて,過去20余年間のフィリピン人女性の表象の系譜を分析するために,言説資料(一般雑誌記事)の収集も行った.
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Research Products
(1 results)