2006 Fiscal Year Annual Research Report
リスク行動の2重プロセスモデルの理論的一般化とその変容過程の応用研究
Project/Area Number |
05J07596
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大友 章司 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リスク行動 / 態度-行動理論 / 行動変容 |
Research Abstract |
本年度の研究業績は以下の通りである。 1.リスク行動の受容と回避の2重プロセスモデル 前年度までのリスク行動の2重プロセスモデルの研究成果を査読論文としてまとめた。環境リスク行動に関する成果は、Journal of Environmental Psychologyに採択され、災害リスク行動に関する成果は、社会心理学研究に採択された。 2.行動変容のための実験研究 従来型の行動変容の研究手法では、リスク回避を動機づけるシングルプロセスのみを前提としており、リスク回避と許容の心理的葛藤を仮定した2重プロセスによる検討が不十分であった。そこで、2重プロセスの心理要因を応用した行動変容実験を実施した。その結果、リスク行動に関連した社会的イメージにアプローチすることで、リスクを許容する心理プロセスの影響力を抑制し、リスクを回避しようとする心理プロセスの影響力を相対的に強化することに成功した。これらの研究成果の一部は、2006年7月に開催された国際応用心理学会(26thICAP)で発表された。 3.リスク行動の2重プロセスの国際比較研究 リスクを回避しようとする『目標志向型決定』とリスクを許容する『状況依存型決定』の2つの意思決定の心理プロセスおける、個人主義と集団主義の社会・文化的文脈特性に応じた違いを解明するため、個人主義の文化特性が強いオランダと、集団主義の文化特性が強い日本の2国間の国際比較研究を実施した。その結果、リスク行動の心理プロセスを規定する主要な要因である態度や規範感の影響プロセスに違いがあることが示唆された。これらの研究成果の一部は、日本社会心理学会第47回大会、日本心理学会第70回大会、第33回消費者行動研究コンファレンスにて発表された。
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Research Products
(2 results)