2005 Fiscal Year Annual Research Report
時空間データベースの実現技術とそれに基づく情報社会システムへの応用
Project/Area Number |
05J07605
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
向 直人 名古屋大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 輸送システム / 社会システム / 時空間データベース / Ant Colony System / Q-Learning / 強化学習 |
Research Abstract |
今年度は、代表的な社会システムの1つとして以前から研究対象としている輸送システムのさらなる発展を目指し、学習アルゴリズムを基本とした顧客傾向データベースの構築・応用に関して研究を進めた。顧客の傾向とは、ある時間帯における顧客輸送要求の方向(顧客フロー)であり、時空間に関連付けられたデータとして管理する必要がある。また、蓄積されたデータを活用することで、車両の振舞(待機位置・走行経路)を顧客傾向に対応させ、輸送システムの効率(採算性、利便性)を改善することが可能となる。まず、顧客傾向を異なる2つの側面から分類した。1つは乗降車位置の関連性である。例えば出勤時間帯における住宅街からビジネス街へといった顧客の流れを意味する。この関連性をACSアルゴリズムに基づいてフェロモン分布という形状でデータベース化し、その大局的な特徴を推定・把握することで、車両の先見的な振舞にフィードバックさせる。この研究は、「情報処理学会論文誌」、「国際会議ICTAI'05(ポスター)」において発表した。もう1つは乗降者数の関連性である。例えば、経路Xにおける乗降者の発生頻度を意味する。この関連性をQ学習アルゴリズムに基づいて期待値という形状でデータベース化し、その大局的な特徴を推定・把握することで、車両の先見的かつ強調的な振舞にフィードバックさせる。この研究は、「データベース学会Letters」、「国際会議ICTAI'05(口頭)」において発表した。また、輸送システムの補足的研究として、カー・シェアリング・システムにおける車両位置制御手法に関して「国際会議KES'05」で発表した、加えて、顧客と車両の待ち合わせ位置の最適化に関して「国際会議ISADS'05]で発表した。今後は、時空間データベースの拡張や実機による提案手法の実証と共に、社会システムとして成立するための採算性・利便性の具体的な算出に関しても進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)