2005 Fiscal Year Annual Research Report
電流検出型原子間力顕微鏡を用いたゲート絶縁膜劣化機構の解明
Project/Area Number |
05J07637
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
世古 明義 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員-DC2
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Keywords | シリコン酸化膜 / 高誘電率ゲート絶縁膜 / 電流検出型原子間力顕微鏡 / 絶縁劣化 / 漏れ電流 / ストレス誘起欠陥 / 固定電荷 / 金属-絶縁膜-半導体接合キャパシタ |
Research Abstract |
超大規模集積回路の高機能化に従い、基本素子であるトランジスタは微細化が進み、ゲート絶縁膜の電流リーク量は許容限界に達しようとしている。本研究はゲート絶縁膜の電流リークや劣化現象を、走査プローブ顕微鏡技術を用いてナノスケールの視点から解明することを目的としている。本年度は電流検出型原子間力顕微鏡法(C-AFM)を用いて、ゲートSiO_2膜の絶縁劣化メカニズムと、高誘電率ゲート絶縁膜であるLa_2O_3-Al_2O_3複合膜の局所電流リークの起源解明を試み、以下の知見を得た。 1.Mosキャパシタを用いてゲートSiO_2膜に定電流ストレス印加すると、膜中に正電荷を捕獲することが知られている。これまで、C-AFMを用いることで、キャパシタでストレス印加されたSiO_2膜中に局所的に高密度化した正電荷に起因するリーク電流スポットが存在すること明らかにしてきた。今回、C-AFM観察時に更に高電界を印加すると、リークスポットにおいて局所的なホール捕獲と電流増加が促進され、選択的に絶縁破壊に至ることがわかった。一方、キャパシタで定電流ストレスを印加しない場合、絶縁破壊電界が高くなり、リークスポットの出現等の前兆なしに破壊に至った。これらの劣化過程の違いは膜中のトンネル電子のエネルギー損失量に関係すると考えられる。 2.高誘電率ゲート絶縁膜であるLa_2O_3-Al_2O_3複合膜をC-AFM観察すると、SiO_2膜とは対照的に、ストレスを印加していないにも関わらず、リークスポットが観察された。これらのリークスポットはその電圧依存性から、「膜中欠陥」、「局所的な電子に対する障壁高さの低下」、及び「荷電状態や構造揺らぎの」の少なくとも3種類の異なる起源を持つことを見出した。これらのリークスポットの起源は成膜中に形成されていることから、デバイスの高信頼性化に向けたプロセス改善に対し、重要な知見になると考えられる。
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Research Products
(2 results)