2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07673
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 臣 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 大気光重力波 / 全天大気光イメージャー / 中間圏 / 運動量フラックス / 大気光画像 / 銀河像除去 |
Research Abstract |
滋賀県信楽町に設置されている全天大気光イメージャーで2002年10月3日に観測された同心円状の波面を持つ大気重力波について研究を行った。この研究は、積乱雲という地表近くの対流圏の現象と、高度約90kmの中間圏界面での現象を1対1で対応づけることのできる貴重なイベントであった。さらに開発中であった、大気光画像から大気重力波の運動量フラックスの見積もり手法を用いて、この特異な大気重力波の運ぶ運動量を見積もることに成功した。これらの結果は、2005年5月に東京で行われた気象学会春季大会、幕張で行われた地球惑星科学関連学会合同大会、および2005年6月に米国で行われたCEDAR workshopで発表した。また、2005年10月に米国の科学雑誌Journal of Geophysical Researchに投稿しており、現在レフェリーのコメントを待っている状態である。 また、インドネシアに設置されている大気光イメージャーによって観測された2002年10月から2005年6月までの大気光画像から赤道域における大気重力波の運動量フラックスを見積もる研究を行った。大量のデータを処理するために、運動量フラックス導出までのプログラムを自動化させることに成功した。これは、約1ヶ月間のイリノイ大学におけるLiu博士との共同研究の成果である。これらの結果は、2005年9月に京都で行われた地球電磁気・地球惑星圏学会、2005年12月に米国で行われたAGU Fall Meetingにて報告した。現在は、大気重力波のパラメーターを導出する際おこなうスペクトル解析において精度を下げる原因となる画像中の銀河の構造を除去する手法を開発している。この手法は全天画像を複数回座標変換するものであるが、実際の大気光画像に適用する目処がたっており、現在論文として投稿する準備をしている。
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