2005 Fiscal Year Annual Research Report
パナマ産ヤドクガエルの毒ゼテキトキシンの全合成研究
Project/Area Number |
05J07704
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
占部 大介 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゼテキトキシン / イソオキサゾリン / 化学シフト / 全合成研究 / ガーナーアルデヒド / グアニジン |
Research Abstract |
パナマ産矢毒ガエルAtelopus zetekiの皮膚から単離されたゼテキトキシンABの構造は極微量の試料から推定され、2つのグアニジン環、イソオキサゾリジンを含む10員環ラクタム、ヒドロキシカーバメイト、及び硫酸基を有した極めて複雑な構造であると2004年に報告された。興味深いことに、その中でゼテキトキシンABの13位に当たるN-アシルイソオキサゾリジンのカルボニル炭素の化学シフトは異常に高磁場である156ppmと報告されている。そこで13位近傍に存在する官能基がこの化学シフトに与える影響を調べるためモデル化合物として、アセチルイソオキサゾリジン、3,4-二置換イソオキサゾリジン、カルボニル基のα位にグアニジン基を有するイソオキサゾリジン、カルボニル基α及びβ位にグアニジン基を有するイソオキサゾリジンを合成しカルボニル炭素の化学シフトをゼテキトキシンABのそれと比較した。その結果、グアニジン基の電子求引基の影響によるカルボニル炭素の高磁場シフトは見られたが異常値を与えるほどでは無かった。この結果からゼテキトキシンABの13位カルボニルの炭素は官能基配列による以外の影響を受けていることが分かった。次いで、ゼテキトキシンABの合成研究を開始した。ガーナーアルデヒドに対するヒドロキシプロリン誘導体の付加により立体選択的に4級炭素を構築し、カルボン酸からのCurtius転位によるアミノ基の導入、ピロリジン上の水酸基の位置選択的な脱水反応を検討し、ゼテキトキシンABの全合成に有用な方法論を確立した。今後は、アミノ基からのグアニジン環形成を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)