2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森田 鉄兵 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 解糖系 / 低分子RNA / 転写後制御 / ストレス応答 |
Research Abstract |
私は、解糖系による新規遺伝子発現調節の分子機構について解析しています。具体的には、大腸菌グルコース透過酵素(IICBGlc>をコードするptsG遺伝子の発現が、解糖系中間代謝産籾の蓄積(代謝ストレス)に応答して、転写後段階で抑制制御を受けていることについて、その詳細な分子機構の解明を目的としています。これまでの解析から、代謝ストレス時において、ptsG mRNAがRNase Eに依存した分解制御を受けること、ptsG mRNAの発現の抑制には、タンパク質をコードしないsmall RNAであるSgrS及び、RNAシャペロンであるHfqが重要な役割を果たしていることが明らかになっています。しかしながら、ptsG mRNAの転写後段階での発現抑制の分子機構の詳細については分かっていません。 そこで、まず私は、タンパク質複合体解析を行うことにより、RNase E/Hfq/SgrSリボタンパク質複合体の存在を明らかにしました。この複合体はSgrSを介する制御基盤としての役割を強く示唆しています。また、Hfqと結合できないRNase Eの変異(rne701)の解析から、SgrSによるptsG mRNAの発現抑制が翻訳の阻害を介して起こる事を見いだしました。具体的に、代謝ストレス時でrne701変異により、ptsG mRNAの不安定化は抑圧されるが、IICBGlcの合成は阻害されていることを確認しました。 これらの解析結果は、末解明である他のsRNAを介する標的mRNAの発現制御の分子機構の解明につながることを示しています。また、細胞の維持に必須な代謝経路を中心に、新しい遺伝子発現ネットーワークの解明につながると考えています。
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Research Products
(2 results)