2005 Fiscal Year Annual Research Report
位置情報を基盤にしたイネのカチオン/プロトン対向輸送体の生理機能の解明
Project/Area Number |
05J07745
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神谷 岳洋 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イネ / カルシウムイオン / 液胞 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
OsCAXファミリー(5分子)のmRNAレベルでの組織別発現量(11カ所)をリアルタイムPCRにより定量した。OsCAX1aの発現量はOsCAXの中で最も高く、イネにおける主要なCa^<2+>/H^+対向輸送体はOsCAX1aであることを明らかにした。 OsCAX1aについてRNAiによる発現抑制株を作製し、mRNAとタンパク質レベルで抑制されていることを確認した。抑制株について、液胞膜におけるCa^<2+>/H^+対向輸送活性、イオン耐性とICP-AESによるイオン含量の測定を行ったが、野性型との差は認められなかった。このことからOsCAX1aが翻訳後制御により活性調節を受けていることが予想された。OsCAX1aにはN末端に自己阻害ドメインがあり、その領域を除去すると活性が上昇する。そこで、自己阻害を解除する因子の探索を開始した。酵母におけるcDNA発現ライブラリーを作製し、現在スクリーニングを行っている。 OsCAX1aとは異なるサブファミリーに属するOsCAX3について発現部位と細胞内局在部位の同定を行った。発現部位の同定はプロモーターGUS形質転換体を用いて行った。根端や頂端などの若い組織で強く発現しており、その他にも維管束やトライコム、胚盤上皮細胞やアリューロン層などで発現が確認された。細胞内局在部位の同定はGFPにより行った。GFP-OsCAX3を、イネカルスより調整したプロトプラストで一過的に発現させたところ、GFPの蛍光は細胞質を動き回るドット状のオルガネラで観察された。 GFP-OsCAX3をカルシウム感受性酵母で発現させると相補することから、GFPの結果は信頼できると判断した。現在、細胞内局在の詳細な解析を行うために、抗OsCAX3抗体を作製している。また、生理的役割の解析を行うためにRNAiによる発現抑制株と過剰発現株を作製した。
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Research Products
(2 results)