2006 Fiscal Year Annual Research Report
位置情報を基盤にしたイネのカチオン/プロトン対向輸送体の生理機能の解明
Project/Area Number |
05J07745
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神谷 岳洋 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / 輸送体 / カチオン / 細胞内局在 |
Research Abstract |
本研究は、Cation/H^+対向輸送体(CAX)の細胞内局在と相互作用因子の同定をおこなうことにより機能を解明することを目的としている。本年度は、OsCAX3の細胞内局在と、CAXと相互作用する因子の探索、の二点について解析した。 (1)OsCAX3の細胞内局在 OsCAX3とGFPの融合タンパク質を作製し細胞内局在を解析した。イネカルスのプロトプラストで発現させたところ、GFPの蛍光はドット状のオルガネラで観察された。内在のOsCAX3の細胞内局在を解析するためにペプチド抗体を作製した。この抗体は、酵母で発現させたOsCAX3は検出できたが、植物体の粗膜画分では検出できなかった。 そこで、新たにOsCAX3全長を抗原とした抗体の作製をおこなった。抗原の発現系として、はじめに大腸菌を用いたが発現量が非常に低かった。次に、昆虫細胞Sf9を用いたところ十分な量の抗原を得ることができ、あらたな抗体を作製した。この抗体はペプチド抗体より10倍以上の力価があったが、植物体サンプルでOsCAX3を検出することはできなかった。OsCAX3の植物体における存在量は非常に少ないと考えられる。 (2)CAXと相互作用する因子の探索 OsCAX1aやシロイヌナズナCAX1では、N末端が自己阻害ドメインとして機能していることが示されている。このことから、他の因子による翻訳後制御を受けることが予想されているが、因子の同定はされていない。昨年度から、酵母のカルシウム耐性を指標にOsCAX1aの活性を上昇させる因子の探索を行ってきたが、同定には至らなかった。 そこで、膜タンパク質の相互作用因子を検出できるDUALmembraneシステムにより、シロイヌナズナCAX1と相互作用する因子の探索を行った。スクリーニングの結果、6個の候補遺伝子を得ることができた。その中にはCAX1と同じ局在(液胞膜)を示すタンパク質が1個含まれていた。現在、このタンパク質について免疫沈降により相互作用の再確認を行っている。
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Research Products
(2 results)