2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用ターゲティングに向けた方法論の開発とパイロット実験
Project/Area Number |
05J07759
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池内 暁紀 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 蛋白質間相互作用 / 相互作用領域 / インタラクションターゲティング / オートファジー |
Research Abstract |
前年度の研究で相互作用ドメインの過剰発現により、相互作用の選択的破壊(インタラクションターゲティング)が可能である事が示唆された。本年度は標的蛋白質複合体を変えても本手法が有効である事を証明すると共に、選択的相互作用破壊を確認するためにより詳細な表現型の観察(生化学レベル)を行った。 我々が開発した相互作用ドメイン迅速決定法を用いて出芽酵母オートファジー関連蛋白質複合体であるATG12-5-16複合体に対して、網羅的な相互作用ドメインマッピングを行った。結果、ATG16の55-150aaはコイルドコイル構造を介してATG16同士でダイマーを形成しており、ATG16の1-54aaはATG5と、ATG12の70-186aaはATG5とそれぞれ相互作用することが判明した。 決定された相互作用ドメインをそれぞれ出芽酵母内で過剰発現させ、インタラクションターゲティングを行った。オートファジーのマーカー蛋白質であるATG8に蛍光蛋白質GFPを融合させ、相互作用ドメインを過剰発現した菌体内でその動態を観察し、ドメインの過剰発現がオートファジーに与える影響について検討した。結果、オートファジー誘導物質であるラバマイシンを加えた時、あるいはオートファジーが誘導される窒素飢餓状態においても、相互作用ドメインを過剰発現していない菌体と比較して、過剰発現した菌体では明らかなオートファジーの抑制が観察された。また、生化学的な研究の結果、相互作用ドメインを過剰発現した菌体では完全体のATG12-5-16複合体以外に、相互作用ドメインを含むような未完全なATG12-5-16複合体が形成されており、この複合体により4量体形成が阻害されている事が示唆された。 以上の結果から、本研究方法は様々な蛋白質複合体においても応用できる手法であり、今後の相互作用機能解析法として広く用いられる事が期待される。
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Research Products
(1 results)