2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J07771
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
見田 隆鑑 名古屋大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不動明王 / 五大明王 / 八大明王 / 高雄曼荼羅 / 法門寺地宮 / 平安時代 / 唐時代 / 忿怒尊 |
Research Abstract |
平成18年度科学研究費補助金の助成のもと、国内では滋賀・善水寺不動明王坐像、福井・妙楽寺不動明王坐像、宮城・瑞巌寺五大明王像(開帳時の拝観)、静岡・金龍院不動明王坐像、大分・無動寺不動明王坐像、大分・妙楽寺不動明王坐像、福岡・中山不動尊(旧円清寺)不動明王二童子像、奈良・西大寺不動明王坐像、兵庫・瑠璃寺不動明王坐像の特別拝観及び調査を実施し、これら調査と同時に周辺寺院を可能な限り拝観した他、博物館・美術館における特別展示の機会を利用し資料の収集を行った。資料収集の目的は主に平安期の不動明王像の細部情報の確認を中心とした。海外調査は3月25日〜3月31日にかけてアメリカの博物館の調査を行い、インド・中国・日本の作品を中心に調査を行った。特にシカゴ・フィールド自然史博物館では、中国・西安近郊から将来された唐代石彫不動明王坐像の実査及び写真撮影を行うことができ、担当のJohn Kelly氏より本像の作品情報を提供して頂くことができた。フリーア・ギャラリー及びアーサー・M・サックラー・ギャラリーでは詫間長賀筆の二童子像をはじめ、閻魔天曼茶羅、宝楼閣曼茶羅、普賢菩薩坐像の密教絵画の他、鎌倉時代の愛染明王坐像及び金剛夜叉明王立像の調査を行い、サックラー・ギャラリーでは現在考察中の金色不動明王画像の研究に活用できる唐代の崑崙人の金銅像を確認することもできた。また、メトロポリタン美術館では特にインド・中国の作例を中心に資料収集を行った。本年度の学会発表は、7月に第52回東海印度学佛教学会にて「高雄曼荼羅に描かれる不動明王の表現について-斜視の仕草の観点から-」と題した発表を行い、同タイトルの論文を学会誌『東海仏教』に投稿した。また、平成17年度に発表した法門寺地宮出土の密教遺品に関する考察の続きとして、「法門寺地宮出土の「捧真身菩薩」台座枢部の八体の尊像について-各尊像の解釈を中心に-」と題する論文を『インド美術仏教美術研究論集』(仮題)に投稿し、本書は2008年1月に中央公論美術出版より刊行される予定であり、これに先立ち2007年5月に行われる第52回国際東方学者会議にて口頭発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)