2005 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度Bファクトリー実験のためのエアロジェルRICH検出器の開発研究
Project/Area Number |
05J07786
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小酒井 良延 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | リングイメージング / RICH / エアロジェル / 粒子識別 / Bファクトリー / デュアルラディエーター |
Research Abstract |
本研究ではエアロジェルを用いたチェレンコフリングイメージング型粒子識別装置(エアロジェルRICH)を実用段階まで開発することを目的としている。本識別装置の性能は粒子の速度差に起因するチェレンコフリングの差を測定する精度によって決まる。明瞭なリング像を多量のチェレンコフ光で測定できればその性能は向上する。RICH型検出器では検出できる光子を増やすには幅射体を厚くすることが考えられるが、するとチェレンコフ光の発生点の不定性が増大しリング像がぼやけてしまいトータルとしての性能向上に繋がらない。本年度の研究では、検出器に「デュアルラディエーター法」という新しいアイディアを導入することによってこの原理的な問題を解決することに努めてきた。「デュアルラディエーター法」では屈折率の異なる2種類のエアロジェルを組み合わせて幅射体を構成するという手法でリング像のフォーカスを行い、リング像のぼやけを抑えながら幅射体を厚くして検出光子数を増加させることができる。このアイディアの検証をするためテスト検出器を用いて実験を行い、期待道理の動作原理を確認して4GeV/cまでの運動量領域で5σのK/π識別が可能であることを明らかにした。また、テスト検出器作成のためには様々な屈折率で透明度の高いエアロジェルを製作する必要があったため、これの自作も行った。このテスト実験の結果とエアロジェルサンプル製作に関して計3編の論文を発表した。
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Research Products
(3 results)