2005 Fiscal Year Annual Research Report
セリウムの存在度異常を持つ隕石包有物を用いた先太陽系絶対年代測定の試み
Project/Area Number |
05J07817
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若木 重行 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員-DC1
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Keywords | 隕石包有物 / サマリウム安定同位体比 / ダブルスパイク質量分析 |
Research Abstract |
1、同位体の質量差に依存する同位体分別によって生じる安定同位体比の変動は、物質形成に関わる物理化学過程に関する情報を示す事が期待される。しかし、従来の表面電離質量分析では、分析装置内で天然と同じ同位体分別が生じるため、安定同位体比変動の測定ができない。そこで本研究では、ダブルスパイク-表面電離質量分析法を用いて分析装置内で生じる同位体分別を補正する事で安定同位体比の測定を可能とした。サマリウムに期待される同位体分別の程度は小さく高精度での測定が必要であるが、高純度サマリウム試薬に対して安定同位体比測定をくり返し行った結果、外部精度が、±0.03‰/a.m.u.(1SD)という高精度での測定が可能である事がわかった。現在は、地球物質のSm安定同位体比測定を行い分析法を検証している。成果の一部を、質量分析学会同位体比部会(高知大学)で発表した。 2、前年度までに微量元素分析の終わった隕石包有物について、希土類元素を中心とした難揮発性元素存在度データの解析を行い、個々の包有物の形成場の違いを明らかにした。また、揮発性元素の存在度から二次変質作用の影響を見積もり、変質作用の影響が少ない試料から、今後の同位体分析に用いる試料を決定した。成果は、アメリカ・テネシー州で行われた68^<th> Annual Meeting of The Meteoritical Societyで発表した。 3、本研究の先行研究として投稿中だった単一粒子年代測定に関する論文が、Geochemical Journal誌39号に掲載された。
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Research Products
(1 results)