2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブロックコポリマー系の密度汎関数理論およびシミュレーション
Project/Area Number |
05J07819
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畝山 多加志 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブロックコポリマー / 密度汎関数理論 / ダイナミクス / ミセル / オニオン / 形態転移 |
Research Abstract |
これまでに開発したブロックコポリマーの密度汎関数シミュレータを用いてミセル構造の形成・転移ダイナミクスをより大規模な系で詳細に調べた。特に、相互作用を変更したシミュレーションを多数実行することにより種々のミセル構造間の転移のダイナミクスを系統的に調べた。また、両親媒性ブロックコポリマーの代わりに疎水性ブロックコポリマーを用いたシミュレーションを行うことで、ミセル構造の代わりにオニオン構造と呼ばれる構造が形成されることを確認した。 密度汎関数シミュレーションで得られた結果を定性的に説明するため、Fromherzによって提唱されたベシクル形成の動力学モデルを疎水性ブロックコポリマー溶液系に拡張した。拡張Fromherz理論を用いることで両親媒性ブロックコポリマーに対してはベシクルが、疎水性ブロックコポリマー溶液系ではオニオンが形成されることが示された。この結果は密度汎関数シミュレーションの結果と定性的によく一致し、ブロックコポリマー溶液系での構造形成を統一的かつ単純に記述できているものと考えられる。 また、高分子の運動を考慮したダイナミクスを扱うための手法として、ジブロックコポリマーを2つの粒子をバネでつないだダンベルとして表現するソフトダンベルモデルの研究を行った。ソフトダンベルモデルは高分子の長時間領域における粘弾性を表現することのできる簡易的なモデルであり、密度汎関数理論によるダイナミクスをさらに改良する上で有用であると期待される。
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Research Products
(11 results)