2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメツリガネゴケを用いた葉緑体PPRタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
05J07839
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 満 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | PPR / 葉緑体 / ヒメツリガネゴケ / 転写後制御 / clpP / RNA |
Research Abstract |
PPRタンパク質はPPRモチーフを介して核酸に結合することが考えられている。前年度までに私は、ヒメツリガネゴケPPRタンパク質PPR531-11の遺伝子破壊株の作製に成功している。その解析から、PPR531-11のターゲットとなるRNA配列としてclpP pre-mRNAを同定した。このRNAにPPR531-11が実際に結合するのかどうかを確認するために、PPR531-11組み換えタンパク質を大腸菌内で作製し、生化学的に解析する事を試みた。 1、PPR531-11のRNAへの結合特性 組み換えPPR531-11タンパク質(以下PPR531-11)は、ゲルシフト解析およびフィルター結合実験の結果、clpP pre-mRNAの遺伝子間領域に強く結合することが分かり、さらに、ステムループ構造が予想されるclpP mRNAの3'末端部分に特異的に結合する事が明らかとなった。 2、PPR531-11によるmRNAの安定性の変化 ステムループ構造が実際に形成され、さらにPPR531-11が結合する事でその構造が安定に保持されることをRnase V1酵素を用いて証明した。また、葉緑体ライセートを用いてRNAの分解速度を比較した結果、3'末端部分があるclpP mRNAに限り、PPR531-11が結合するとライセートによる分解が抑制された。これらの結果より、PPR531-11がclpP mRNAの3'末端部分に結合する事でステムループ構造が形成され、3'-5'エクソヌクレアーゼによる分解を抑制しているといったモデルを提唱した。このようなPPRタンパク質が核酸の立体構造を保持するモデルは、多くのPPRタンパク質に共通する機能であると予想され、非常に重要な知見であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] On the expansion of the pentatricopeptide repeat gene family in plants2008
Author(s)
O'Toole, N., Hattori, M., Andres, C., Iida, K., Lurin, C., Schmitz-Linneweber, C., Sugita, M., Small, I.
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Journal Title
Molecular Biology and Evolution (in press)
Peer Reviewed
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