2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメツリガネゴケを用いた葉緑体PPRタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
05J07839
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 満 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | PPR / 葉緑体 / ヒメツリガネゴケ / 転写後制御 / clpP |
Research Abstract |
植物特異的に大きなファミリーを形成しているPPRタンパク質を、コケ植物であるヒメツリガネゴケを用いて解析を行っている。 1,ヒメツリガネゴケPPRタンパク質ファミリーの高等植物との比較 研究当初、ヒメツリガネゴケでは70-100個のPPRタンパク質遺伝子が存在することを、完全長cDNAデータベースより推測していた。2006年のヒメツリガネゴケ核ゲノムの決定により、改めて103個のPPRタンパク質遺伝子を確認した。ヒメツリガネゴケのPPRタンパク質遺伝子はシロイヌナズナのファミリーとは異なり、その多くがイントロンを含んでおり、その他特徴の異なるファミリーであることを明らかにした。 2,ヒメツリガネゴケPPRタンパク質、PPR531-11の解析 ヒメツリガネゴケPPRタンパク質の中から、PPR531-11を選抜して配列を決定し解析を行っている。昨年度、PPR531-11の第5エキソンに薬剤耐性遺伝子を挿入した変異株を作製し、野生株と比較して生長が著しく遅く、葉緑体形成が異常な表現型を観察した。 そこで葉緑体遺伝子の発現パターンをノーザン法で解析した結果、clpP-5'rpsl2-rpl20領域においてそれぞれの転写物の発現パターンが野生株と異なっていた。RT-PCR法を用いてそれぞれの中間転写物の量を詳細に解析したところ、clpP mRNAのRNAスプライシングおよびclpP-5'rpsl2間のRNA切断が正常に行われていない事が明らかとなった。続いて葉緑体タンパク質の蓄積量をウエスタンブロット法を用いて調べた結果、やはりClpPタンパク質は減少しており、他の葉緑体タンパク質も現象していた。このことから、PPR531-11はclpP mRNAの成熟化に重要な機能を有し、ClpPタンパク質が葉緑体タンパク質の量比をコントロールしているといったモデルを提唱した。
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Research Products
(1 results)